CiteAbの使い方 – 複数メーカーの抗体やタンパク質製品を同時に検索できる!

研究用試薬・機器
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抗体やキット製品をどのように探していますか?

こんにちは、うさえです。

突然ですが、ライフサイエンス分野の実験をしているみなさん、抗体やELISAキットなどを購入する時、どのように調べて選んでいますか?

文献で使われているものがあれば、それを試してみる、という人が多いと思いますが、そのような文献が無い場合はどうでしょう。 メーカーのウェブサイトで検索して、そのメーカーに無さそうなら他のメーカーを調べてみる? そこでも見つからなかったら、販売代理店の営業担当者さんに探して欲しいと丸投げ?

そして、そんな依頼を受けてしまった販売代理店の営業担当のあなた、もしてかして、取り扱っていそうな複数のメーカーに、1件ずつ電話やメールで検索依頼してませんか? それってちょっと面倒だし、時間もかかりますよね。

というわけで今回は、抗体やELISAキット、サイトカインなどのタンパク質製品の検索に便利なウェブサイト、CiteAbの使い方をご紹介します。

CiteAbのウェブサイトはこちら

CiteAb - Reagent Search & Life Science Data
Citation ranked reagent search engine and high-quality life science data services for pharma & biotech companies, reagent suppliers and investors

CiteAbとは?

CiteAbについてのページ (About CiteAb https://www.citeab.com/about )によると、”ライフサイエンス分野の研究者と試薬メーカーが、もっと詳細な情報を得た上で意思決定できるよう支援するため、ライフサイエンス関連データを提供する企業”ということだそうです。

研究者には抗体などの試薬を検索するサーチエンジンを提供、一方、市場データなどは試薬メーカーや投資会社に利用されているそうです。

抗体を検索してみる

CiteAbのトップページはこんな感じ。製品の検索は無料で利用できます。

抗体を探したい時は、

  1. Search… の欄に抗体のターゲット名を入力
  2. (2)のドロップダウンリストはAntibodiesにしておく
  3. Searchボタンをクリック

試しに、ACE2(アンジオテンシン変換酵素2、新型コロナウイルスが細胞に侵入する際に受容体として使われると今話題になっていますね)で検索してみた結果がこちら。

このスクリーンショットを撮った2020年6月8日現在で、世界には949製品のACE2抗体があるようです。

そんなにあるとどれを使えばいいのか迷う、そんな場合は検索結果画面の左側で、絞り込みができます。 交差種や使用する実験系、標識の有無など複数の条件で絞り込めば、自分が必要とする条件に合う抗体を見つけられます。

ひとまずここでは、検索結果の一番上に出てきた製品をクリックしてみます。

すると、次のような画面になります。

Antibody infoのところには、メーカー名、抗体を作った動物 (Host)、ポリクローナル抗体かモノクローナル抗体か、未標識か何かが標識されているか、などの情報が表示されます。

ピンク色のボタン (View Product On Supplier’s Website) をクリックすると、その製品のメーカーのウェブサイトに移動します。

その下のSupplier Suggestedの部分には、どのようにメーカーが製品を検証したか、推奨する実験(アプリケーション)、交差種が表示されています。
まあ、ここまではメーカーのウェブサイトで見られるような、一般的な製品情報ですね。

その下、From the literature のところには、文献から収集したデータ、例えばどのような動物のサンプルで使用されたか、どのアプリケーションで使われたか、使用した希釈倍率などが表示されています。

抗体って、メーカーのデータシートに記載されていない実験ではうまく使えない時もあれば、物によっては実は使えることもありますよね。(メーカー側では検証していないので、記載されていない実験に関しては保証しないことが普通ですが。)

使えるかどうか自分で試すのが一番いいかもしれませんが、試したい抗体がたくさんあると大変。 文献で使用されている実績があると安心だけど、多数の文献の中から目的の抗体が使われている文献を見つけ出すのも時間がかかります。そんな時に、このような情報があると便利ですね。

上部のAdditional Infoタブをクリックすると、次のような画面になります。

ここにはターゲットタンパク質の別名とか、その抗体を作製する時に使用した免疫原の情報などが記載されています。

画面の下部には文献情報が表示されます。実験の種類や使用した動物の種類で絞り込みもできるようです。

生化学用製品を検索してみる

抗体以外も検索できます。例えば、細胞を刺激するのに使うPhorbol-12-myristate-13-acetate (PMA)のような試薬を探す場合は、 次の図のようにリストからBiochemicalsを選択してからSearchをクリックします。

するとこのように検索結果が表示されます。

キット製品を検索してみる

ELISAなどのキット製品も探すことができます。 例えば、IL-6を測定できるELISAキットを検索する場合、次の図のようにリストからKitsを選択します。

次のような結果が表示されます。

左側で、さらに条件を選んで絞り込むことができます。

タンパク質製品を検索してみる

細胞を刺激する時に使うサイトカインなどのタンパク質製品も検索できます。 例えば、IL-2を探したい時は、次の図のようにリストからProteinsを選択します。

検索すると、次のような結果が表示されます。

これまで同様に、画面左側でさらに条件を加えて絞り込むことができます。

最後に

今回は、CiteAbでの製品検索の方法を説明しました。 簡単に検索できるので、ぜひ試してみてくださいね。

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